制作依頼があったけど、ターゲットも目的も不明瞭。
こんな時、どう進めたら良いのでしょうか?
実例を交え、認識があった制作物を作るためのテクニックをご案内します。
目的不明の制作依頼
あるクライアントから、セミナーの案内チラシ制作依頼が届きました。
どんな人にどこで配るのかや、どういった部分がセミナーのメリットなのかなど、ヒアリングしても明確な回答が返ってきません。
あるのはセミナーの内容のみです。
「誰に何をどうする」が不明瞭な状態でデザインすることは出来ません。しかし、不明瞭な状態でもお仕事である以上は対応せねばなりません。
目的を見出すための進め方
そんな場合の対応方法は2種類あります。
①状況を詳しく伺い、情報を整理し、方向性を定める
②とりあえず、作ってみて認識を合わせていく
①が正しい対応です。無駄がなくクライアントも満足いく制作物が仕上がるでしょう。
しかし、この対応が出来ない場合があるんです。そんな時は②になります。
「とりあえず作ってみる」も時には正解
クライアントの担当者は営業マンで、とにかくセミナーを実施するのでチラシが欲しいとのこと。時間がとれずヒアリングすることも出来ません。となると作るしかないんです。もちろんこの場合は茨の道になることは覚悟の上での対応になります。しかし前に進めなければいけないのであればやむなしです。
出来上がったチラシ案を営業部に回覧したところ、以下フィードバックが返ってきました。
・遠くから見ても内容がわかる文字サイズ
・セミナー開催を主目的としたメッセージ
・公的文書的な固いイメージにしたい
・課題を感じているが行動を起こしていない人がターゲット
・結論ではなく具体的な要因を訴求して煽る
・煽りの表現は吹き出し希望
具体例を示すことで、先方にもイメージが浮かびます。
このように情報整理を進めるもの一つの手段です。あとはイメージが湧いてきた営業マンと「誰に何をどうする」をカタチにしていくだけです。
この手法は、デザインを何度も作り直す前提となるため、デザイナーへの負担が大きくなってしまいますが、認識を合わせるための制作物の仕上がりレベル(ワイヤー程度)を落とすことで負担は軽くなります。
何を作ったら良いかわからない
例えば、自社サービスのデザインなど、クライアントの要望がない場合があります。
そんな時も同じです。とりあえず作ってみましょう。作ることで間違いに気づくことができます。また同僚に見せることで気づきを得られる場合があります。
これはデザインに限った話ではありません。悩んで進めないことがあるなら声にしてみれば良いのです。
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